(本記事は2023年11月に書いた記事ですが、加筆修正しました。)

ここ数年、原材料やエネルギー価格の高騰、大幅な円安などによる物価高が止まりません。
これが「物価が上がって給料も上がり、企業も売上が増えて利益が増える」こういう成長の循環なら何も問題ありません。

ですが実際は賃上げの動きはあるものの、物価の上昇に追いつかずに2024年5月まで実質賃金は24ヶ月連続でマイナスとなっています。
これは日本人がどんどん貧乏になっていることを表しています。

しかしその一方で税収は二年連続で増収となり、政府へ対策の声が高まっていることで

政府は「物価高で生活に困っている国民たちにこの税収増を還元する!所得税と住民税を減税します!」

という政策を打ち出しました。

しかしドヤ顔で言ったわりには国民の支持を得られていないようです。

そして私が最も気になるのは公平に減税の効果が行き渡るのかということです。
住宅ローン控除中の人、つじんぬは一体どうなるの!?

ニュースの概要

まず今回の所得減税を簡単に説明するとこうです。

所得減税の概要
対象者:全年齢
来年(2024年6月)をめどに一人につき所得税3万円+住民税1万円の定額減税
・非課税世帯には年内に一人につき7万円を給付
・扶養家族がいれば人数分加算

定額減税というのがわかりにくいですが、必要納税額から上記を差し引く。
つまり、給料から税金が天引きされているサラリーマンにとっては手取りが増えるということになります。
分割で減税されるのであまり増えた気がしないと思いますが・・

住民税非課税世帯とは?こちら↓

新型コロナ経済対策で現金給付の対象になる住民税非課税世帯とは?収入の目安はいくら?

減税策を打ち出したのに支持率低下のわけは

岸田政権は国民の生活を守るため、と今回の政策を打ち出しましたが逆に政権支持率が低下しています。
それは、

・一時しのぎの対策でしかない

物価高対策で減税ということ自体は悪くないと思いますが、岸田首相は「来年一回だけ」と宣言しました。
来年も再来年もさらなる物価高になる可能性があるのなら一回だけでいいんでしょうか?
持続的な対策が必要じゃないかと思うんですよね。

というか、そもそも物価高の原因をどうにかすべきでしょう。
給付は一時しのぎの対策にしかならないので、選挙対策のパフォーマンスじゃないかと世間は感じるでしょう。

・不公平感

働いてる人は4万円、働いてない人は7万円あげます!
って働いている人が損しているみたいに思えますよね。
低所得世帯の方が物価高のダメージが大きいので支援が必要だというのはわかります。
ただ、せめて不公平感を感じないようにしてほしいものです。

・減税のタイミングが遅すぎる

家計が苦しくなっているのは今なのに減税は半年以上先ってなんでそんなに遅いの!?
なぜこんなに遅いのか、それは 「減税」をするのに法改正が必要だから です。

そして給付なら法改正は必要ないので非課税世帯への7万円の「給付」は補正予算が成立すれば年内にできるという。

ならば「4万円、7万円の給付」にすればいいのに、なんでわざわざ遅くなる方法を取るんだという疑問が湧いてきますよね。

・減税しても後で増税するんじゃないの?

元々防衛費と少子化対策の財源確保のために増税する方針であると首相が言っていました。
減税と増税を同時にはできないということでとりあえず今回は一旦先送りになりましたが・・・

つまり一旦はお金を配るけど、後々に今回の減税分を含めて結局回収されるんじゃないか。

というか、そうなる気しかしません。

◆ つじんぬの見解

この定額減税は
・税金を多く払っている人
・少なく払っている人
・払っていない人
・扶養家族の多い人
など、いろいろなパターンを想定しないといけないので仕組みづくりがややこしすぎるのではと思います。
シンプルな仕組みにしないと事務経費も多くかかって良いことないんじゃないでしょうか。

世間では消費税の軽減税率を一時的に下げればいいという声が多数です。

買い控えが起きるとかいろいろな理由をつけてはいますが絶対に消費税を下げたくないという意思を感じますね。
大人の都合でわざと非効率的な政策をしているとしか思えません。

4万円、7万円のどちらにも該当しない層はどうなるのか

4万円、7万円のどちらにも該当しない層はどうなるのか

ここからが本題です。
4万円減税、7万円給付のどちらにも該当しない層が900万人ほどいるらしいのです。

しかしさすがに政治家もこのことには気づいているようで

①住民税は課税されて所得税は課税されていない収入の人 → 非課税世帯と同様の7万円
②所得が十分でなく、年間の納税額が4万円以下の人 → 引ききれなかった分は次年の住民税から差し引くなどの案

と一応の対応策は考えているようです。

(追記1)住宅ローン控除で引ききれない分は、給付金として受け取れる

そしてさらに気になるのが
③住宅ローン控除などで所得税がゼロになる私のような世帯
です。

住宅ローン控除が適用されるここ10年(13年)以内に家を買った世帯は特にめずらしいわけでもないはず。

【マイナス金利解除】変動か固定か、住宅ローン金利は今後どうなる?つじんぬの選択は!?

住宅ローン控除は税額控除と言って、課税所得から計算されて決まった納税額から差し引かれます。
差し引かれて4万円以下になったら損してしまうのでは・・・

それどころか、ローン控除でとっくに所得税は0円よ!これ以上引けないよ!
という人も多いんじゃないでしょうか。

これについては
 住宅ローン控除を受けた上で定額減税額を満たさない場合には、残った金額は1万円単位で切り上げられ給付金として給付される(調整給付) ようです!

ということで減税分は満額もらえそうですね!
よかった!当初はこのあたりの情報が出ていなかったので不安でした。

(追記2)調整給付の受取には手続きが必要?

上の、定額減税分を給付金として受け取る場合は申請手続きが必要な場合があります。

例えば豊島区では対象者には通知書が送られてきて
・マイナンバーで公金受取口座を登録していて間違いがなければ申請不要
・そうでなければ、受取口座と本人確認書類を送付する必要がある

ということでした。受取には期限があるので申請の必要な人は通知書が来たらすぐに対応するようにしましょう。