いよいよ消費増税まで半月を切り、「軽減税率」という言葉を聞くことも多くなりました。
難しそうでいまいち理解していないという方も、実際に始まればこれに従わざるを得ないのである程度は把握しておくことが求められます。

軽減税率とは

消費税は低所得者の方が負担大

消費税とは非課税の物を除き、あらゆるものに税金がかかるので、一見平等な税制度のように思えますが、実は低所得者ほど生活への影響が多くなります。
税金は収入や資産に応じて支払うべきものです。しかし消費税はすべての消費に対して一律にかかるので低所得者ほど負担感が増すのです。これを「消費税の逆進性」といいます。

消費税の逆進性

上の図では1000万円使える人にとっては余裕が900万円残りますが、200万円の人は180万円しか余裕が残りません。つまり収入に占める消費税の割合が同じでも生活に対する影響は低所得者の方が大きいのです。

逆進性の解決策としての軽減税率

これを解消するために食料品などの生活必需品に対しては税率を軽くして、低所得者への影響を抑えようとしたのが「軽減税率」です。

日本では今回、食料品のうち、外食を標準税率(10%)、テイクアウトすれば軽減税率(8%)とすることに決まっています。

軽減税率によって起こりえる問題

標準税率との線引きの難しさ

しかし、すでに話題になっているように
テイクアウトで支払った後に気が変わって結局イートインスペースで食べた場合や、
一部は店内で食べ、他は持ち帰る場合など、多くのケースで混乱が起きることが予想されます。

これらの場合、あくまで自己申告になるので正直に最初から標準税率を払って店内で飲食をする人には不公平に感じるでしょう。

このように、どこまでを軽減税率とするかの線引が難しく、先に導入している各国でも場合によっては奇妙なシステムとなっています。

(例)カナダ
・ドーナツの個数によって5個以下 →  外食とみなされて標準税率
・6個以上 →  持ち帰りとして軽減税率

ポイント還元で実際の負担税率が5パターンに!

また、軽減税率と併行して、増税後の消費の落ち込みを緩和するためにポイント還元(キャッシュレス還元)を行うことが決まっています。
政府の「海外に対して導入が遅れているキャッシュレス比率を高めたい」という思惑もあります。

ただこれがまたややこしい!

標準と軽減税率の2パターン+買う店でのキャッシュレス還元3パターン(中小の小売店:5%、コンビニ:2%、大手のスーパーや百貨店:還元なし(0%))で実質の消費税率が5パターンあることになります。

ポイント還元で実際の負担税率が5パターンに

仕組みが複雑になればなるほど、制度を理解している人だけが恩恵を受け、理解していない人は損することになります。
わざわざ大きな手間や負担をかけた上にこんな不公平なことはないでしょう。

◆ つじんぬの見解

軽減税率は自分的には賛同しかねます。

過去2度の増税延期で痺れを切らした各方面の圧力でいよいよ消費税を上げざるを得なくなったのでしょうが、全く国民のことを考えていません。
我々消費者にとってもややこしいだけでなく、販売する側の負担も大きくなるでしょう。

軽減税率対応のレジ導入、ポイント還元、商品ごとに異なる税率、テイクアウトと店内飲食の区別方法などで業務が煩雑化するだけでなく、お客さんからへの説明やトラブルやクレームの対応等で余計な作業負担が増えてますます生産性が落ちると思うんですが…

私個人としては「お金を通してより豊かな人生を送る」をテーマとして活動していますので、日本の労働者はもっと短時間で効率よく働いて、生活の質を上げていかないといけないと思うんですよね。
それなのに余計な負担を強いるこの制度が必要とは思えません。

別に本当に必要なものなら、増税も止むなしと思うのでそこは反対はしません。
ですがこんなややこしいことをするなら、いっそのこと全て10%にして他で還元するとか他にやりようはあったと思うんですよね。

今回は到底納得が行かないため、厳しい言い方になってしまいましたが今回はこの辺で。