「退職したあと、できるだけ早く次の職場を見つけたい。
でも、雇用保険がもらえなくなるのは損では?」と不安に感じたことはありませんか?
そんな方に知っておいてほしいのが「再就職手当」です。
これは、雇用保険の基本手当(いわゆる失業手当)をすべて受け取る前に再就職した人に対し、その残り日数分の一部を一括でもらえる制度です。
つまり、「早く就職した人にこそ支払われるボーナス」のような存在。
それだけに、制度を知っているかどうかで大きな差が生まれます。
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私の体験:雇用保険が払われていなかった
実は私自身、昔に勤めていた会社が雇用保険を適切に支払っていなかったため、退職後にとても困った経験があります。
「当たり前にもらえる」と思っていた失業給付が受けられず、しばらくの生活費にも困窮しました。
特に辛かったのは、失業中に友人の結婚式に呼ばれ、祝儀を親に借りなければならなかったことです。(しかも2回!)
この体験から、「このような制度は、会社任せにせず、自分自身が知っておく必要がある」と痛感しました。
退職してから制度の存在に気付いても遅い場合があるため、在職中から確認しておくことが重要です。
再就職手当の受給条件
再就職手当を受け取るには、以下の条件をすべて満たす必要があります。
- 失業保険の受給資格があること
- 7日間の待機期間後に失業認定を受けていること
- 所定給付日数の3分の1以上を残して就職したこと
- 1年を超えて継続雇用される見込みであること
- 前職と同じ会社、または関連会社でないこと
これらの条件を満たしたうえで、ハローワークへの申請が必要です。
また、雇用形態が正社員でなくても、契約社員や派遣社員でも1年以上の雇用見込みがあれば対象となります。
支給額の目安は「最大70%」
再就職手当は、残っている失業給付日数に応じて、以下の割合で支給されます。
残り日数 | 支給率 |
---|---|
所定給付日数の3分の2以上 | 70% |
所定給付日数の3分の1以上 | 60% |
(残り90日×70%)×5,500円 = 346,500円
90日分相当の手当が一括支給される
意外と多くもらえることに気づいた方も多いのではないでしょうか。
逆に、ある程度給付を受けたあとに就職した場合は60%となるので、早い再就職ほど有利という仕組みです。
実際に私が受け取った時は1週間ほどで振り込まれました。
しかし、公式には支給日は就職後すぐではなく、審査完了後(約1.5-2ヶ月後)になると言われています。
すぐにもらえるとは思わない方が良いでしょう。
「再就職手当」と「雇用保険満額」、どちらがお得?
よくある疑問が、「再就職手当でもらうのと、失業給付を満額もらってから就職するの、どっちが得か?」という点です。
短期的には働いていないのにもらえる雇用保険を満額もらう方がお得に思えます。
しかしもう少し長い視点で考えてみると、再就職手当の方がトータルの収入が増えるケースが多いです。
その理由は以下のとおり:
- 就職先の給与と、再就職手当が両立する
- 一括支給なので資金管理がしやすい
- 早く就職するほど将来的な収入機会も増える
たとえば月20万円の仕事に1ヶ月早く就職できれば、それだけで20万円の収入増。
加えて再就職手当がもらえれば、さらにメリットは大きくなります。
ただし、焦ってブラック企業に入ってしまっては本末転倒。
納得のいく就職+制度活用のバランスが大切です。
制度を活かすも殺すも「情報次第」
昨今は雇用保険を支払わないような会社はないでしょう。
いや、ないと思いたいです。
しかし、現に私のような悲惨なケースがあるのです。
だからこそ、現職に不安がある人ほど「自分の雇用保険がどうなっているか」「再就職手当の条件は?」といった情報を先回りして調べておくことが重要です。
雇用保険の加入状況は、毎年発行される「雇用保険被保険者証」や「給与明細」で確認可能です。
特に中小企業や家族経営の職場では、手続きミスも起きやすいので注意しましょう。
まとめ:雇用保険制度を“攻め”に使おう
再就職手当は、ただの生活防衛策ではなく、人生の転機を有利に進めるための“攻め”の制度でもあります。
制度を知らないままでは、損をするのは自分自身。
正しく理解して、使える場面で最大限活用しましょう。
「知っているだけで得する制度」は、まだまだ他にもあります。
かつての自分の体験を通じて、私もそれを痛感しました。
情報を自分の武器に変える。これが、安心してキャリアを築いていくための第一歩です。