昨年10月の消費増税により、予想される消費の落ち込みへの対策として、キャッシュレス決済・消費者還元事業(以下、キャッシュレス還元)が始まりました。これによって初めてキャッシュレス決済を利用した方も多いのではないでしょうか。
ただ、このキャンペーンは2020年6月で終了となっています。
本当にこれまでのような還元を受けられなくなるのでしょうか?それともキャッシュレスに変わる別のキャンペーンが始まるのでしょうか?
概要
キャッシュレス還元事業は概ね好評価
キャッシュレス還元の実施期間は2019年10月1日から2020年6月30日までとなっています。
この施策は増税で落ち込む景気を刺激するとともに、世界に比べて遅れているキャッシュレス決済の普及も兼ねていました。
その結果は皆さんも感じているように、街なかでキャッシュレス決済が使える店舗が激増しました。最初は支払い時に「○○ペイで」と言うのも挙動不審になったものですが今は慣れて全く恥ずかしくなくなりました(笑)
世間ではキャッシュレス決済が当たり前になり、当初の目論見は成功したのだと思います。また、場合によっては実質負担税率が最低3%になるという、消費増税前より負担が減る場合もあって家計の負担軽減にも一役買ったこともあり、概ね好評だったようです。
景気の落ち込みを止められない中、キャッシュレス還元は終了してしまうのか?
しかし2月17日に発表された10〜12月期の実質GDPは予想を超えて年率6.3%減と大幅に減少しました。
これはキャッシュレス還元の効果よりも増税による心理的影響のほうがはるかに大きかったことになりますね。
問題はこれが10〜12月の結果だったということでコロナの影響以前にすでに大幅に景気が悪化の方向に向かっていたということです。
つまり、増税のタイミングとしては良くなかったということになります。さらに現在、リーマンショック級を超えるコロナ禍が起きてしまい、経済は戦後最大のダメージを受けています。こんな状況で「キャッシュレス還元」を終了して大丈夫なのでしょうか?キャッシュレス還元は7月以降も延長されるのではないかという話もあり、私もそうなりそうだと思っていました。
しかし現時点で政府からはそのような発表はないので、やはり6月末までで終了となるでしょう。
代わりに「マイナポイント事業」が開始予定
キャッシュレス還元がなくなればこれまで軽減されていた増税の影響をモロに受けて、今後の生活に不安を感じる人も多いと思います。そのため政府は新たにマイナンバーカードとキャッシュレス決済を利用した「マイナポイント事業」を2020年9月から開始すると案内しています。
この還元の概要はマイナンバーカードを取得し、利用するキャッシュレス決済方法を指定した上で、「2万円のチャージまたは支払いに対して5,000円相当分のマイナポイントを付与」となっています。マイナポイントという新しいワードが出てきて混乱しますが、使用条件や使用期限等まだまだ明らかになっていることは少ないです。
・PayPayやd払い等のキャッシュレス決済業者を通じて付与される
・所得制限や年齢制限などはなく、全員が対象
中でも注目は年齢制限がないので家族全員分マイナポイントを申し込めるところです!5人家族なら5000円×5で25000円分にもなるので家計の助けになるでしょう。
9月から開始ということでまだまだ余裕がありそうに思えますが、マイナンバーカードの取得には1ヶ月程度必要です。9月以降にマイナポイントが注目されて取得する人が増えれば、もっと時間がかかることが予想されるので、早いうちに取得しておいたほうがいいのではないでしょうか。私ももちろん取得済みです。
キャッシュレス還元終了目前の今、我々ができることは
・キャッシュレス還元終了までは還元で得をする決済方法を利用する
・マイナポイントをスムーズにもらうため、家族全員のマイナンバーカードを取得しておく
です。
◆ つじんぬの見解
キャッシュレス還元はかなり良いキャンペーンでした!キャッシュレスを利用しつつ、並行して9月までにマイナポイントゲットへの準備を始めましょう。
ただしマイナポイントの恩恵は限定的なのでキャッシュレス還元終了による実質増税前に必要なものは買っておいたほうが良いと思います!だからと言って必要以上の買い物をするのはダメですよ。