2週間で紹介してもらったメーカー+自分たちで予約した住宅メーカー6社に見学に行きました。
まあ予算が合わないような高級メーカーで冷やかしで行ったところもありますけどね・・・
そこでいろんな会社の話をきいて
・住宅メーカーの値段の違いは何なのか
・安いメーカー、高いメーカーの考え方の違い
についてじっくり話をきいたのでまとめたいと思います。
家って高い・・・
住宅の価格
無料相談の時点で建築価格以外に多くの費用がかかり、思ったより高くなることは覚悟していました。
広告などの1780万円〜みたいなので建てられると思っていたのは幻想でした!
あれは建物本体価格のみ(消費税別、付帯工事、諸経費、外構別途)という罠…
希望の条件は
・土地20坪
・3階建
・ビルトインガレージ
ですが、最初にいったメーカーで「予算は確実にオーバーすると思います」と言われ、
・・・いや、他に安いところがあるはず!
と思っていました。
しかしどの会社にきいてもだいたい想定の額より200〜300万円高い・・
安いメーカーと高いメーカーの考え方の違い
そこでなぜその見積もり額になるのかを各メーカーの担当者にききました。
ある程度安くでも家は建てられるが、長期的にみると「質の良い家」を建てた方がコストパフォーマンスは高いということでした!
質の良い家とは目にしっかりとした構造や耐久力のある部材を使うことなどにより、長く安全に暮らせる家です。
私はマイホームに憧れがあるので少しでも理想の家を建てたいと思い、ミドルクラスのメーカーを中心に見学しました。では安いメーカーと高いメーカーとの違いはなんなのでしょうか?
ここで買った本などの資料から住宅メーカーの価格帯別に住宅メーカーをざっくりと分類してみます。
会社の例 | 特徴 | |
ローコストメーカー | タマホーム、飯田グループホールディングス、アイフルホームなど | 短工期による人件費削減、デザイン・仕様のフォーマット化によって低価格を実現させている |
ミドルクラスメーカー | アキュラホーム、桧家住宅、セルコホーム、ウィザースホーム、アイ工務店 | 価格以外に特色を持ち、宣伝費を削ることで準ハイクラスメーカー並の性能を持った家づくりをしている |
準ハイクラスメーカー | 住友不動産、トヨタホーム、ヤマダホーム、一条工務店 | それぞれが強みを持ち、総合力に長けたメーカー、大手資本なのでアフターフォローも安心 |
ハイクラスメーカー | 住友林業、積水ハウス、パナソニックホームズ、旭化成ホームズ(ヘーベルハウス) | 名前だけで自慢できる絶対の信頼性とクオリティを持つ一流メーカー |
「質の良い家」とは
気密・断熱の重要さ
日本の住宅は平均30年ぐらいしか持たないそうです。
その原因は四季による気温と湿度の変化が大きく、建物内部に結露が起きるのが原因と考えられています。
結露とは中と外の温度差により水滴がつくことで、夏に氷を入れたグラスのことを想像してもらえばわかりやすいですね。
例えば夏に家の中は冷房で涼しくても外はとても暑いという状態。
一見結露していないように見えても、壁の中の構造材に水滴がついたらどうなるか。
木材ならカビが生え、鉄骨なら錆が発生します。
そういうわけで外部の熱を内部に伝えないようにする「断熱」が建物を長持ちさせるのにものすごく重要だということでした。
それとは別に、冷暖房で部屋の中を快適な温度にしても隙間から温度が逃げる、または入ってきてしまいます。
この隙間が少なくすることで家の中の温度変化が少なくなって結果的に家が劣化しにくくなります。
これが「気密」で「C値」という数値であらわされ、最近はお金をかけてでも気密測定を実施する施主も増えてきているそうです。
高断熱・高気密の住宅は、光熱費を下げる以外に家の劣化を防ぐという意味で重要な要素です。
耐震、災害に強い家
耐震は国が決めた基準があって、どんな工務店でもそれを満たしています。
確かにどんなメーカーでも「耐震等級○○」と書いてあれば安心だと思いますよね。
しかし実際には性能の差はものすごく大きいです。
耐震装置も見比べてみるとハイクラスメーカーは全然違いました。
耐震以外に「制震」「免震」の機能が備わっています。
制震とは揺れを吸収する、免震とは揺れを伝えないという機能です。
なぜ制震・免震があった方がいいかというと、データ通り地震に耐えられたとしても、無限の耐久性を持っているということではありません。
見た目にはヒビや雨漏り、傾きなどが起きていなくても、建物内部の部材と部材の間に揺れによって隙間が空くことがありえます。
すると結露などで建物が劣化し、いつかは耐えられなくなる時が来てしまいます。
高い制振、免震装置が入っているほうが建物の劣化が起きにくいということです。
メンテナンスコストを考える
長く住むには家の補修にお金がかかる!
住宅の外壁や屋根は通常約10年で劣化して補修が必要になります。
例えば部材と部材の隙間を埋めるためのコーキング剤(ゴムのようなもの)は太陽の熱や風雨でひび割れが起こります。
また外壁材が雨や排気ガスで黒く汚れて見た目も悪くなってきます。
屋根まで足場を組んで作業しなければならないので高額になり、屋根・外壁の補修に100万円〜150万円の費用がかかるそうです。
家を買う前はそんな費用きいてない!家賃並の価格じゃないじゃないか!
これを知った時、私の心の声がそう叫んでいました(笑)
しかしミドルクラス以上のメーカーは多少価格が高くても長持ちする部材を使っています。
例えば雨で汚れが落ちやすく、目地が隠れて劣化を防げる外壁材などを使うことで、20年〜30年の耐用年数を実現しています。
写真はケイミューの「光セラ」という外壁材です。
アフターサービスで後々かかる費用もさまざま
また、一般の工務店では初期保証といって不具合があれば10年以内なら無償対応してくれます。
そして多くの場合、10年ごとの有償メンテナンスを条件に保証を延長できるようになっています。
長期保証のアイ工務店なら初期保証が20年、ダイワハウスや住友林業などは30年です。
耐久性のある材料を使っているので10年では補修の必要がなく、このような長期保証を実現できるとのことです。
結局、安く建てられてもメンテナンスにお金がかかるのです。
逆に最初は高くても長持ちする部材や断熱や換気方法を徹底していれば、メンテナンスが少なくてすみ、結果的に安く済むということでした。
確かに買った本にも最初に
・あとから手を加えられない「家のつくり」
・耐久性、安全性に関わる部分
はケチらない方がいいと書いてありました。
無料相談のアドバイザーに予算オーバーだというと「もう少し坪単価の安いメーカーを紹介しましょうか?」と言われました。
しかしこれを聞くと、多少高くても信頼のできるメーカーに任せたいと思うようになりましたね。
まとめ
- 住宅を建てるのはお金がかかるが、維持するのもお金がかかる
- ローコストで家を建てた場合、メンテナンス費用結果的には高くつく場合もある
- ミドルクラス以上のメーカーは「高気密・高断熱」「耐震」など、目に見えない家のつくりにお金をかけている