数年前に読んだ本ですが、部屋の片付けをした時に出てきたのでもう一度読んでみようと思いました。
この本を買った当時は自己啓発本を読みあさっていた時期で毎月1冊を目標に読んでいました。
1997年初版の古い本ですが、そのうちの何かの本かで紹介されていたので興味を持ったのが『となりの億万長者』です。

せっかく再読したので内容と簡単な感想をまとめます。

本物の億万長者とはどんな人間で、ふつうの人たちとはどこが違うのか?
アメリカ富裕層研究の第一人者であるスタンリー博士とダンコ博士は、1万人以上の億万長者にインタビューとアンケートをして、資産や年収、消費行動のタイプを徹底的に調査した。その結果、彼らが億万長者になったプロセスには7つの法則が存在することが判明した!

本の内容としては評判よりも少しとっつきにくい印象だったのを覚えています。
それはアメリカの本の翻訳版なので
・資産や年収の単位がドルでなので頭で円換算する必要がある
・日本人に当てはまらないような制度(税制、年金など)や生活習慣
・データ分析を元にしているため、図表が多い
・1990年代の話なので今と同じというわけではない
のような要素です。

ただし、細かいデータはそれほど重要な要素ではありません。
前回読んだ時も細かいことはさっと読み飛ばしていました。日本とアメリカでは違う部分もありますからね。
データから導き出される結果や普遍的な法則が大事なことだと思います。

それでは本書の中でメモしたいことをまとめていきますね。

億万長者の実態

本物のお金持ちほど質素に生活している

著者は10000人以上の資産家から何百時間もかけて話を聞き、詳細な分析を行いました。
彼らはどんな職業で、どんな物を身に付け、どんな車に乗っていてどのようなライフスタイルを送っているのか。

調査をするまでは金持ちというのは高価なスーツや高級時計、車にお金をかけているものだと思っていました。しかし、実際は全く違っていました。
アメリカの億万長者の平均像は

ごくありふれた職業につき、収入に比べてはるかに少ない金額で生活をし、細部にわたって予算や収支計画をたて、遺産をあてにせず、倹約家である

ことがわかったのです。

蓄財優等生と蓄財劣等生

普通に考えれば、年収の高い人ほど資産を築きやすいのは当然です。
しかし高年収でも資産形成の上手な人とそうでない人がいることがわかりました。
同じ年齢層、所得層の中で、資産額が上位の人たちを「蓄財優等生」と下位の人たちを「蓄財劣等生」とします。

蓄財優等生も劣等生も資産を増やすという目標を持っている点は同じです。

ただし蓄財優等生には以下の特徴がありました。

違うのは金持ちほど投資に時間をかけるという点です。
蓄財優等生は資産運用の計画をじっくりと立て、将来資産価値の上がる可能性のあるものに投資をします。
一方、蓄財劣等生は自動車などの時間が経つにつれ価値の下がるものにお金をかけます。
高級住宅街に住み、稼いだ分だけお金を使います。
また、親がお金持ちで経済的援助を受けた人ほど、消費する癖がついたり、他人のお金を当てにして財産を残せないというデータも出ています。

いくらお金を稼いでも、それだけでは金持ちになれない

年収2000万円も3000万円もありながら、お金の心配をし続けている人がたくさんいます。
その原因は収入が多くなるほど消費も多くなってしまい、お金のかかる生活を支えるためにより働かなくてはならず、仮に収入が断たれてしまえば今の生活を維持できなくなるからです。

しかし、億万長者の最大の特徴はとにかく「倹約」であることでした。
彼らはお金の心配をせずに済むことの方が、世間体を取り繕うことよりも重要だと考えていました。

経済的にしっかりとした基盤を持とうと考えているなら、きっと実現できる。
だが良い暮らしをするためにお金がほしいと思っているのなら、一生、お金は貯まらない。

また、配偶者の考え方も重要でした。仮にあなたが多く稼いでも妻または夫が浪費家ならお金は貯まらないということです。

7つの法則よりも重要なこと

本書の冒頭部分にタイトルにもある「7つの法則」が出てきます。
タイトルから、読者の知りたい部分はここだと思いますが、7つの法則は特に重要ではありませんでした。
気になる方は本書を読んでもらうとして、もっと大事なことは

資産を築くには自分をコントロールする精神力、犠牲をいとわぬ態度、勤勉さが必要

この一文です。

お金持ちになりたいなら、目的のために時間とエネルギーをかけ、ライフスタイルを変える決意が必要ということです。

まとめ

私も常にお金持ちになりたいと考えています。
しかしなかなか増えない。ずっと目標に向かう計画と努力はしているつもりですが、このままでいいんだろうかと考えたことが何度もあります。

本書に書かれていることはお金持ちになるにはより多く稼ぐ「攻め」よりも、目標に向かって努力し、倹約するという「守り」の方を重視しているとされていることは私のような小市民には希望となりますね。
そのようにずっとがんばってきた人に、本書は今までの努力は間違ってないよと背中を押してくれるでしょう。