現在、コロナウイルスの感染爆発を防ぐ、全国の幼稚園、小中高学校の一斉休校措置に踏み切りました。
しかし前例のない措置ということで、学生の子を持つ親は平日の仕事との折り合いで混乱しています。

その中で一斉休校の対象外になってる保育園でもできる限りの家庭内での保育をお願いしていますが、あくまで協力要請です。クラスター(集団感染)の発生防止にはできる限り協力すべきですが、現場ではどうなっているのでしょうか?

事件の概要

政府の要請により、学校は一斉休校。しかし保育所は対象外

2020年3月現在、政府はウイルスの爆発的感染(オーバーシュート)を防ぐために大人数の集まるイベントの自粛を求め、同時に幼稚園、小中高学校が休校することになりました。
また、会社通勤の際もテレワーク(在宅勤務)、時差出勤等、混雑緩和に向けた取り組みが始まっています。

ただ、小さな子を持つ共働き世代にとっては子どもを預けることができなければ勤務が困難になるため、保育園だけは休校の対象外になっています。ですがそこで働く保育士にも、もちろん子育て中の人もいます。
一体現場はどうなっているのでしょうか?

保護者にできる限りの家庭内保育をお願い

そのような保育士さんには柔軟なシフトにして、できる限り子育てと仕事との両立ができるようにしているそうです。また、発熱があり、感染が疑われる症状が出た場合、検査が陰性であっても念の為に出勤停止としています。もちろん、もともと保育士不足と言われていたところにこの状況なのですからやりくりはかなり厳しいそうです。

保育園としては保護者に、できる限り家庭での保育をお願いしています。
しかしながらこれに協力してくれる保護者は少ないようで、自粛前とあまり変わらないクラスもあります。
仕事の都合がつかず、どうしても登園させなくてはいけない事情の人もいますが、全員がそうというわけではありません。
多数の人が密集する保育園に比べると家庭のほうが感染リスクの点で安心だと思うのですが、なぜ登園を自粛してくれないのでしょうか。

登園自粛に協力しても保育料の返還はなし!(その後、軽減されることが発表)

大きな理由として、登園の自粛をお願いしておきながら保育料は返還されないというのです!
保護者としては安くない保育料を払っています(所得によって金額は変動)が、登園してもしなくても同じ額を払わなければならないなら楽したいと思うのは当然だと思います。
また、3〜5歳児は保育無償化になりましたので、預けたほうが楽だし得だという心理もあると思います。

当然私は「なんで登園自粛に協力する人が損するようになってるの?」とききました。すると保育料は園が決めているのではなく、市が決めているので、勝手に金額を変えることができないそうです。
先週に大阪市のHPで調べてみたところ、「給食費は返すが保育料は返還しない」旨のページがありました。率先して協力する気にはなれないのもうなずけます。要するに、関西では奈良県生駒市が早くから「登園自粛の際の保育料は減額する」と発表していましたが、大阪市はウイルス感染症の現状に制度が追いついていないのです。

その後3月19日になって大阪市からも軽減措置が発表されました。

「家庭保育の協力要請を受けて保育施設等に登園しない場合、登園しない日数の保育料を軽減する方向で検討しております。
なお、現時点では関係法令の改正がなされておらず、また、3月分の登園しない日数が確定していないことから、3月分保育料(4月6日納期限)については一旦通常どおりの額でお支払いいただくことになりますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。」

と案内されています。これで家庭内保育に協力した人も不公平感は是正されたかと思います。

◆ つじんぬの見解

自粛要請が始まって半月ほど経ちますが、日本は海外に比べてやはり意思決定が遅いんじゃないでしょうか。
もちろん保証問題になるので、難しい判断になることは重々承知しています。

しかし感染拡大を抑えるために、迅速な決断が求められる時です。
保育料の軽減がどの程度かもわからないですし、市が一刻も早く具体的な軽減額を示さなければ日に日に危険度は増していくのではないでしょうか。私としては理由は問わず、休んだ分をきっちりと日割りで返還すればいいんじゃないかと思うのですが。