「給付金を不正に受給した」
「もらったお金を返したい」

持続化給付金を受け取った本人や家族からそんな相談が全国で相次ぎ、その件数は1600件を超えています(10月15日時点)。
なぜここまで大規模な不正受給が起きて、今になって問題化したのでしょうか。

事件の概要

持続化給付金

今年5月の新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の際に全国民に特別定額給付金として、全国民に一律10万円が配られたことは記憶に新しいですよね。
それと同時に、収入が激減した事業者を支援する目的で国が「持続化給付金」として1事業者あたり最大100万円または200万円の給付が行われました。

給付条件を簡単にまとめると以下のようになります。

・資本金10億円未満の中小企業及び事業者
・2019年以前から事業により事業収入(売上)を得ており、今後も事業を継続する意思があること。
・2020年1月以降、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により、前年同月比で事業収入が50%以上減少した月があること。
(持続化給付金サイトより)

持続化給付金は2019年以前から事業を営んでおり、前年の売上が1ヶ月でも50%以下になれば給付対象となりますが、もちろん昨日今日で事業を始めた人が申請できるものではありません。

今回は緊急事態宣言の中で業務の継続や生活が危ぶまれる中で、そういった人たちに一刻も早く支援を行う必要がありました。そのため、1件1件申請内容を精査していては給付が遅れるのでチェックを簡素化していて、書類の形式が整っていれば給付が出る状況だったそうです。
ずさんなチェック体制と批判する人もいますが、危機的な状況にある人を一刻も早く救うためにしかたなかったはずです。

給付金の不正受給を指南した人が次々と逮捕!

ここに目をつけ、悪用しようとする輩が出ることは予想されていました。
実際、ドイツでも不正受給が多発してニュースになっています。

ところが自分が不正受給するだけでなく、とんでもない闇ビジネスが行われていたというのが今回の事件です。

それは多くの人に「持続化給付金が簡単にもらえる方法がある」と声をかけ、もらった給付金から手数料として分け前(10万円〜90万円の場合もあったようです)を集めるというものでした。

不正受給の代償

その後、不正受給を指南した輩が次々と逮捕者されていることが大きなニュースになり、不安になって警察にかけこむ人が続出することになりました。
そりゃそうです、逮捕された指南役から自分たちの情報が漏れるのも時間の問題ですからね。

もし逮捕されれば学校の退学や会社は解雇となり、100万円のためにそんなリスクを負うのは全く割が合わないでしょう。
このまま黙っていればバレないかもしれないと思っている人もいるかもしれません。
しかし税務署が3月以降の不自然な確定申告書類を調べればすぐにバレると思いますので自主返納したほうが身のためだと思います。

自首したとしても万引きが見つかったから返すと言って許されるなら、盗んだもの勝ちになってしまいます。しかし今回はあまりにも数が多いので1件1件立件していては社会的な影響が大きいということで、自主返納すれば許されるといった報道もありますがどう判断されるかはわかりません。
また、悪質と判断されれば年3%の延滞金と、給付金の20%の加算金の返還を求められます。

そして詐欺師に渡った手数料はほぼ返ってこないでしょうから、自分で補填するしかないでしょう。

◆ つじんぬの見解

我々国民が収めている税金を善意を悪用して詐取しておいて、許されるはずはありません。
もし今回は罪に問われなかったとしても、警察には要注意人物として自分の情報が残るはずです。

さらに組織的に不正受給を指南する輩が半グレ集団や犯罪組織の可能性も高いです。
もしそういった集団とつながってしまっている場合、今後も犯罪のターゲットにされかねないというリスクを抱えることになります。

不正受給してしまった人が簡単にお金がもらえると安易な気持ちで手を出した結果、逆に損したばかりか今後の人生に暗い影を落とすはめになりました。

ただこれは自分の撒いた種ですのでしっかりと反省して生きていくしかないでしょうね。

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