かつてブラック会社(デザイン制作会社)に勤めていて、退職を申し出た時に私はこう言われました。
「他の同業の会社も似たようなもんだよ、うちを辞めるなら別の業界に転職した方がいい」

転職経験の少ない人には
「そうかも、これぐらいで無理だと思うようならこの業界に向いていないのかも」
「自分はがんばりが足りないのかな」
と思うかもしれません。

しかしそんな余計な忠告は完全無視し、別の制作会社を探して転職しました。

なにを言われようがおかしな職場は辞めるべきなんです。

私の転職回数は3回、どちらかというと多い方でしょう。
好きで転職したわけではなく、ハチャメチャな職場でそうせざるを得なかった事情もありますが、続けるべき職場・辞めるべき職場はどう違うのだろうとこれまで考えてきました。

その答えは仕事量とか難しさといった考え方ではなく、たった2つのシンプルなものです!

悩んでいる人は参考にしていただければ幸いです。

異常な環境下では正常な判断はつきにくい

ブラックな職場

私が新卒で就職活動を開始した時はまさに超絶就職氷河期!!
募集は「経験○年、即戦力募集」みたいなのばかりでなかなか仕事が見つかりませんでした。

そしてようやく見つけたのが「待遇・給与:要相談」それ以外は不明のインテリア設計のデザイン事務所でした。

実務経験のない私には給与交渉などできるはずもありません。
とりあえずどこかで経験を積まなければと、私は提示された月給10万円で働き始めました。

 

そこは自分で了承したことですし、厳しいながらもプロとしての心構えとか責任とか仕事への姿勢を学ばせてもらって今につながっているので文句はありません。

ただ、定時なし、有給なし、保険なしは後で振り返るとアウトローすぎるでしょ!

しかし、当時の私はこれが「そういうもの」だと思っていたのです。
・徹夜してでも受けた仕事は全うしなければならない、定時なんてない!
・保険については直接支障が起きることがなかった

これがあきらかにおかしいことは外から見てわかることですが結局4年続けました。

つまり何が言いたいのかというと、

職場という閉ざされた世界の中にいるとそれが通常なのか、異常なのかの判断は難しいということです。

ある環境に慣れてしまうとそれが当たり前になってその異常さがわからなくなってしまうんです。
だから過労や鬱などで精神を病んでしまう人が出てくる。

経験があったからこそ、さっさと辞める判断がついた

その後別の会社に転職しました。
そこは数人の小さな会社でした。今回は保険完備、有給もあります。
給料も(ちょっとだけ)上がりました。

しかし社長が失踪し会社は解散・・・

 

そしてまた転職活動をし、今度は50人規模の少し大きめな会社に入りました。

しかしこれまた超ブラックな会社!
有給休暇は形だけで実質取得不可能でした。しかも残業は月130時間にも及びました。
休みの日は疲れでぐったりで、たまに友達と会っても仕事の愚痴しか出てきません・・・

何より面倒な仕事はたらい回し、断れない人に押し付け、自分は楽したいという人ばかりなのが我慢できなかった!
この状態では精神が保たないと思って約8ヶ月で退社を決意、10ヶ月ほどで辞めました。

すぐにブラック会社に見切りをつけられたのは、
 これまでの経験でようやく「辞めるべき職場、続けるべき職場」の線引きがわかってきた からです。

職場に尊敬できる上司はいるか?

職場に尊敬できる上司はいるか?

私の意見を述べます。
辞めるべき職場とは

 尊敬できる上司がいない職場 です。
その人に実力があるとかないとかではなく、あなたは5年後、10年後にその人のような働き方をしたいでしょうか。

「俺がこの会社を変えてやる!」だからこの人のようにはならない!
と理想を語りたい人もいるかもしれません。
いやいや、赤の他人のためにそこまでする必要がありますか?

そんな人たちが上にいる時点で会社自体ポンコツだと思いますね。
物事は改善すればよくなりますが、人はそう簡単に変わりません。
そんな上司の元では結果を出すのも難しいし、変える労力を使うなら転職した方が早いと考えます。

そして続けるべき職場はその逆、尊敬できる上司がいる、になります。

あなたは会社を利用できているか?

そしてもうひとつ、それは

 今の職場を利用できているかどうか 、です。

捌ききれない仕事を押し付けて残業代も払わずにあなたを都合よく利用する会社はさっさと辞めましょう。

できれば雇用保険(失業保険)をもらいたいところですが、心身が疲弊するならそこまでがんばらなくてもいいと思います。
※雇用保険受給には1年以上の在職が必要

雇用保険受給中でも早く再就職した場合にもらえる「再就職手当」

あなたは逆に会社を利用するべきなんです。

自分で事業をして失敗した場合、下手したら損害賠償を負うことになります。
しかし会社の元で仕事をするということは、最終的に責任を取るのは会社です。

失敗しても許されるんです。会社に直接損害を与えない限りは損害は負いません。

・個人では受注の難しい仕事をすることで経験を積む
・家族サービスのために給料をもらって休む
・最終的に会社は盾になってくれる

このように職場、会社があなたの人生をより良い方向に進ませてくれる場所なのかどうか、

これを考えてみてください。