昔から小銭貯金をコツコツとしてきた人にとってバッドニュースが今年やってきました。
それは

銀行に小銭を預けると逆にお金を払わなくてはいけなくなる

という衝撃的なニュースです!

なぜこうなったのか、私達にできる対策についても考えていきたいと思います。

概要

小銭手数料導入は苦肉の策

銀行は基本的にお金を人や企業に貸して、利息をもらうことで成り立っています。
しかし2022年現在、歴史的な低金利が長く続いていることと人口減少によって銀行の利益は減少し、コスト削減や業務効率化に迫られています。

私の友達の銀行マンも「うちらも今や斜陽産業やな…」と愚痴をこぼしていましたね。

銀行は本来、預金を増やしたいので下ろす人には手数料がかかることはあっても、預ける人に手数料がかかることはありませんでした。
しかしここ数年で大手銀行でも相次いで入金手数料の導入が行われています。
それで大手銀行では窓口で硬貨を預けた場合に手数料がかかるようになりましたが、ATMでの入金ならこれまで通り無料でした。

しかし2022年1月17日から、ゆうちょ銀行ではATMでの入金についても手数料がかかるようになってしまいました。

ゆうちょ銀行の硬貨を伴う預け入れ手数料(抜粋)

硬貨枚数 ATMでの預け入れ 硬貨枚数 窓口での取り扱い
1〜25枚 110円 1〜50枚 無料
26〜50枚 220円 51〜100枚 550円
51〜100枚 330円 101〜500枚 825円

衝撃的なのは
硬貨一枚の入金ですら手数料がかかるようになってしまったことです。

500円玉ならともかく、1円、5円、10円を預けたら大きく目減りするどころか逆に損をするケースも。

低金利の行き着く果て

日本は今、歴史的な低金利時代です。
金利を下げれば借りたお金の利息の負担が減るので、会社は事業をやって利益を出しやすくなるというわけです。
そして預けた場合にもらえる利息も少なくなるので、貯めるよりお金を使おうとなるはず。

【金利減の効果】
企業: 利息が少なくお金を借りることができる
人 : 預けても増えない → お金使おう!

しかし金利を下げても大して景気はよくならない…
そして金利は下がり続けて日本ではマイナス金利が導入されています。
マイナス金利というのは理論的には、お金を預けていると利息はマイナスになることを意味します。

しかし、預ければ逆にお金を取られることはさすがにないだろう…と思っていました。
実際にそうなることはなく、限りなく低い金利ながらも預けてマイナスになることはありませんでした。
銀行の立場からすると、そんなことをすれば誰もお金を銀行に預けなくなってしまいますからね。

しかし部分的にですがこれが現実のものになってしまいました。

小銭手数料有料化の対策

こうなってしまった以上、
この「小銭を預ければ逆に損してしまう」状況に対して我々ができることはもちろんあります!

  1. 日常生活で少しずつ消費する
  2. 手数料のかからない銀行で手数料無料の範囲で少しずつ預ける

誰でも思いつく方法ですがこれしかありません。

1)は説明するまでもありませんね。

2)ゆうちょ以外ならATMから入金すればまだ手数料がかからない銀行も多いです。

例えば三井住友銀行の硬貨の入金手数料は
窓口:1日300枚まで無料
ATM:完全無料

参考)https://qa.smbc.co.jp/faq/show/6118?back=front%2Fcategory%3Ashow&category_id=277&page=1&site_domain=default&sort=sort_access&sort_order=desc

小銭手数料有料化の対策は早めにした方がいい理由

ただし一見簡単に思えるこの方法ですが、早めに行うほうがいいと思います!

というのは理由が2つあります。
一つは政府はお金のキャッシュレス化を進めています。
そのためにキャッシュレス還元とかマイナポイントをやってきましたよね。

マイナポイントで最大5000円相当!さらに追加でポイント付与のサービス

そして実際私も現金で払う場面は激減しています。
キャッシュレスで払ったほうがポイントがついたりと還元があるのでお得ですしね。

今後もより現金を払う場面が減っていく…つまり、小銭を消費する場面が減っていくということです。

そしてもう一つ、銀行は小銭を処理する人件費を減らしたいということと世の中の流れ的に、さらに手数料が加算される可能性があるためです。
さすがにこの流れでは手数料が安くなるよりも、高くなる可能性の方が高いでしょう。

意外にも大打撃を受けている業界は神社やお寺

我々一般市民は細々と小銭を処理していけばいいですが、この流れで困るのはお店とか事業者ですよね。
毎日の売上を入金しないといけないのにその度に手数料を取られたらたまったもんじゃありません!

しかしもっと大きな影響を受けていると言われている業界があります。

それは神社やお寺です。

もうおわかりですね。私達がお参りに行くたびに捧げている5円玉や10円玉は膨大な枚数になっているはずです。
これを銀行に預けるために額面より手数料の方が高いということもありえるわけです。

しかし神社側としてもお賽銭は小銭じゃなく、お札にしてくださいなんてとても言えないですしね…

他には募金に頼っているような事業も同じように苦しいそうです。

◆ つじんぬの見解

世の中は確実にキャッシュレスに向かっています。
キャッシュレスの方がポイントもつきますし、コロナウイルスが収束しない中で接触も少なくなり、決済もスムーズ。
もはやキャッシュで払うメリットはあまりないと思います。
私もキャッシュを使わないライフスタイルに切り替えたいところですが、今はまだ、どうしてもキャッシュでしか払えない店があるので財布を持ち歩かざるを得ないんですよね。