現金給付や補助金のニュースを見るたびに、
「もらえるものはもらっておいた方が得なのでは?」
と感じたことはありませんか。
実際、過去には現金給付をめぐる不正受給やトラブルが相次ぎ、大きな問題になりました。
一見すると「手続きのミス」や「制度の抜け穴を突いただけ」に見えるケースでも、後になって返還請求や刑事責任に発展する例もあります。
こうした出来事は、決して特別な人だけの話ではありません。
給付金、助成金、補助金、減税措置――
お金に関わる制度は今後も形を変えて何度も登場します。
この記事では、過去に話題になった現金給付をめぐる不正受給の事例を振り返りながら、
「なぜ問題になったのか」
「どこで判断を誤りやすいのか」
そして今後似た制度が出てきたときに、どう考えればいいのかを整理していきます。
単なる昔のニュースとして終わらせず、
これからのお金の判断に活かすための記事として読んでもらえれば幸いです。
事件の概要
持続化給付金
2020年5月に新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が出ました。
その時に特別定額給付金として、全国民に一律10万円が配られたことは記憶に新しいですよね。
同時に、国から「持続化給付金」として1事業者あたり最大100万円または200万円の給付が行われました。
これは収入が激減した事業者を支援する目的の給付でした。

給付条件を簡単にまとめると以下のようになります。
- 資本金10億円未満の中小企業及び事業者
- 2019年以前から事業により事業収入(売上)を得ており、今後も事業を継続する意思があること。
- 2020年1月以降、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により、前年同月比で事業収入が50%以上減少した月があること。
(持続化給付金サイトより)
ということで、
・2019年以前から事業を営んでおり、
・前年の売上が1ヶ月でも50%以下になれば
給付対象となります。
もちろん昨日今日で事業を始めた人が申請できるものではありません。
今回は緊急事態宣言の中で業務の継続や生活が危ぶまれる中で、そういった人たちに一刻も早く支援を行う必要がありました。
1件1件申請内容を精査していては給付が遅れます。
そのためチェックを簡素化していて、書類の形式が整っていれば給付が出る状況だったそうです。
ずさんなチェック体制と批判する人もいますが、危機的な状況にある人を一刻も早く救うという目的の制度だったのです。
給付金の不正受給を指南した人が次々と逮捕!
ここに目をつけ、悪用しようとする輩が出ることは予想されていました。
実際、ドイツでも不正受給が多発してニュースになっています。
ところが自分が不正受給するだけでなく、とんでもない闇ビジネスが行われていたというのが今回の事件です。
それは多くの人に「持続化給付金が簡単にもらえる方法がある」と声をかけ、もらった給付金から手数料として分け前(10万円〜90万円の場合もあったようです)を集めるというものでした。

不正受給の代償
その後、不正受給を指南した輩が次々と逮捕者されていることが大きなニュースになりました。
そしてそれを見て不安になって警察にかけこむ人が続出することになりました。
なぜなら、逮捕された指南役から自分たちの情報が漏れるかもしれないと不安になったからです。
もし逮捕されれば学校の退学や会社の解雇処分になってもおかしくはありません。
100万円のためにそんなリスクを負うのは全く割が合わないでしょう。
さらに、
・年3%の延滞金
・給付金の20%の加算金
の返還を求められます。
ただ、経済産業省HPによると今回は特例措置として、自主返納すれば延滞金、加算金は免除されるようです。
本件はあまりにも数が多いので1件1件立件していては社会的な影響が大きいという判断のようですね。
しかし詐欺師に渡った手数料はほぼ返ってこないでしょうから、自分で補填するしかないという状況に陥りました。
◆ まとめ
今回の現金給付の不正受給問題は、「ずるをした人が悪い」という一言で片付けられる話ではありません。
多くの人が、
制度をきちんと理解しないまま申請してしまった
「たぶん大丈夫だろう」と軽く考えてしまった
周囲もやっているから問題ないと思ってしまった
こうした判断の積み重ねが、後になって大きなトラブルにつながっています。
給付金や補助金は、生活を支えるための大切な制度です。
しかし同時に、「条件」「対象」「期限」「返還義務」など、細かいルールが必ず存在します。
お金に関する制度に向き合うときに大切なのは、
「得か損か」よりも、
「そのお金は、安心して受け取れるものかどうか」を一度立ち止まって考えることです。
今後も、給付金・助成金・補助制度は形を変えて登場します。
そんなときこそ、今回の事例を思い出し、
“知らなかった”では済まされないお金の判断を、冷静に行っていきたいですね。
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