去年から止まることなく続いている値上げ、その理由は新型コロナウイルスによる物流の停滞、ロシアによるウクライナ侵攻、そして急激な円安です。
「24年ぶりの円安水準」などと最近はニュースで報じられているので、このこと自体は皆さんきいていると思いますが、135円とか言われてもいまいちよくわからないのが本音じゃないでしょうか。
ただニュースで説明されても「へぇー、円安なんだ、困るなぁ」ぐらいでよくわからないんじゃないかと思います。
今回は円安とは?外国為替の仕組みと今円安になっている原因、なぜ急激に変動すると困るのかこれ以上ないほどシンプルに説明します!
Contents
ニュース解説
円安とか円高って何?
A. 各国のパワーバランス
通貨=国のパワーだと思ってください。
日本100 = アメリカ100
アメリカの方が経済成長率が高くてアメリカのパワーが上昇。
アメリカの方が将来性あるな!ってなりますよね。
すると円よりドルを持っておこうとなるわけです。
100円 = 130ドル
というわけでドル高になりました。
相対的に円は弱くなり、円安になります。
混乱したらドル基準で考える!
どっちが円安?
1ドル = 100円 から
1ドル = 130円 になると
円安だったっけ?円高だったっけ?混乱する!
この場合円が高くなったように見えますがドル基準で考えてみてください。
1ドルの価値が100円から130円になれば、ドルの価値が上がっていますよね。
円ではなくドルが高くなった、つまり円安です。
わかりやすい例で説明します。
円安になると物価高?
1ドルショップがあると考えてください。
この店の商品は全て1ドルです。
これまでは1ドル100円だったとすると全品100円です。
円高 → 1ドル80円になら全品80円で買えます。
円安 → 1ドル130円なら全品130円です。
全てが高くなりますよね。
円安になるとドル建て商品(海外の輸入製品)が全て割高になるのです。
じゃあ円高になればいいんじゃないですか?
A. ほどよいバランスが大事!困る人が出てくる…
円安になるとドルの商品(輸入品)が全て割高になると先ほど書きました。
では逆に円高になると円の商品(日本で作って海外に輸出する商品)が高くなってしまいます。
円高 → 輸入企業に有利(海外産の食品など) 輸出企業に不利
円安 → 輸出企業に有利(自動車企業など) 輸入企業に不利
円高にも円安にもメリット・デメリットがあるということです。
去年までは円安になった方がメリットが多いとされてきました。
なぜなら日本では人件費の安い海外で生産し、それを日本に輸入することで安いコストで商品を作っている輸入企業が多いからです。
しかし円安で今まで100円で仕入れていたものが130円になると安いコストで作った商品も採算が取れなくなり、結果値上げせざるをえないというわけです。
急激な変動がよくない
日銀の黒田総裁や岸田首相が「急激な円安は経済にマイナス」との発言をしていますが何がマイナスなのか!?
さきほど、円安にも円高にも得する人、損する人がいると書きました。
為替レートは日々変動するので企業はこれぐらいと仮定して商売をしています。
それが大きく外れると想定外に儲かる企業がある一方で、採算が取れなくて倒産する企業が出てきてしまうのです。
変動がゆるやかであれば、ある程度のところで生産する国を変えるとか原材料を変更するなど対策を取ることができますが、
今年のような急激な変動は事業を続けるのに大きなリスクとなります。
なぜ円安になってるの?
原因は日米の金利差です!
アメリカではコロナ前から株価は高値をつけて、景気は決して悪くありませんでした。
そして今、海外ではコロナ後を見すえて景気が良くなり、どんどんインフレ(物価高)になっています。
しかし際限なく物価が上がると困窮する人が増えるために景気を抑制しなければなりません。
そこで登場するのが金利です。
金利が上がると利息が多くなりますよね。
金利上昇にはお金を借りづらくなり、使うよりも貯めるという、景気にブレーキをかける機能があります。
今、FRBは急激に上げると必要以上に景気が冷え込む恐れがあるため、少しずつ徐々にドルの金利を上げる…
のが定石だったのですが、インフレが予想外のスピードで進んでいるため、短期間で次々と金利を引き上げているのです。
アメリカ(ドル) : 景気良 → 物が売れる → 企業が儲かる → 景気の過熱を防ぐために金利上昇
日本(円) : 景気悪 → 金利下げる → 株価上がる(アベノミクス) → でも景気上がらない → 金利上がらない
・金利は過去最低水準、持っていても利息ほとんどもらえない円